上がる?下がる?
「MACDのゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売り」
バイナリーオプションでMACDを使おうと思って調べると、どのサイトにもこう書いてある。教科書通りの説明だ。
しかし、この通りにやっても勝てない。
私は月1000万円以上を稼ぐ専業トレーダーだが、今はMACDを使っていない。過去にはあらゆるインジケーターを試したが、MACDもその一つだった。
この記事では、MACDの基本的な使い方を解説しつつ、なぜ教科書通りでは勝てないのか、その本当の理由を説明する。
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MACDとは何か
まず、MACDの基本を簡単に説明する。

MACDの仕組み
MACDは「Moving Average Convergence Divergence」の略で、日本語では「移動平均収束拡散法」と呼ばれる。
2本の移動平均線(EMA)の差を計算して表示するインジケーターだ。
MACDは以下の要素で構成される。
MACDライン:短期EMA(12日)と長期EMA(26日)の差 シグナルライン:MACDラインの移動平均(9日) ヒストグラム:MACDラインとシグナルラインの差を棒グラフで表示 ゼロライン:MACDラインが0になる基準線
MACDでわかること
MACDを見れば、以下のことがわかるとされている。
MACDラインがゼロラインより上なら、短期の上昇傾向。ゼロラインより下なら、短期の下降傾向。
MACDラインがシグナルラインを上抜けたら「ゴールデンクロス」で買いシグナル。下抜けたら「デッドクロス」で売りシグナル。
ヒストグラムが大きいほどトレンドの勢いが強く、小さくなってきたらトレンドの勢いが弱まっている。
これが教科書的な説明だ。
教科書通りの使い方
一般的に紹介されているMACDの使い方を説明する。
ゴールデンクロスとデッドクロス
最もメジャーな使い方は、MACDラインとシグナルラインのクロスを見る方法だ。
ゴールデンクロス:MACDラインがシグナルラインを下から上に抜ける → 買いシグナル(HIGH)
デッドクロス:MACDラインがシグナルラインを上から下に抜ける → 売りシグナル(LOW)
多くのサイトでは、「クロスを確認したら次のローソク足でエントリー」と説明されている。
ゼロラインクロス
もう一つの使い方は、MACDラインがゼロラインを抜けるタイミングを見る方法だ。
ゼロラインを上抜け:上昇トレンドへの転換 → 買いシグナル(HIGH)
ゼロラインを下抜け:下降トレンドへの転換 → 売りシグナル(LOW)
ゼロラインクロスは、ゴールデンクロス・デッドクロスよりも強いシグナルとされている。
ダイバージェンス
ダイバージェンスは、価格の動きとMACDの動きが逆行する現象だ。
例えば、価格は高値を更新しているのに、MACDは高値を更新していない。これを「弱気のダイバージェンス」と呼び、上昇トレンドの終わりを示唆するとされている。
逆に、価格は安値を更新しているのに、MACDは安値を更新していない。これを「強気のダイバージェンス」と呼び、下降トレンドの終わりを示唆するとされている。
ダイバージェンスが発生したら、トレンド転換を狙って逆張りエントリー、というのが教科書的な使い方だ。
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なぜ教科書通りでは勝てないのか
ここからが本題だ。なぜ、上記の教科書通りの使い方では勝てないのか。

理由①:シグナルの「遅れ」が致命的
MACDの最大の弱点は「遅れ」だ。
MACDは移動平均線をベースにしている。移動平均線は過去のデータを計算して表示するため、シグナルが出た時には、すでに相場が動き始めている。
ゴールデンクロスが発生した時には、すでに上昇が始まっている。そこからエントリーしても、一番おいしい部分は逃している。場合によっては、エントリーした瞬間が天井ということもある。
FXのような中長期取引なら、この遅れは許容範囲かもしれない。しかし、バイナリーオプションの1分取引や5分取引では、この遅れが致命的になる。

MACDはもともとFXや株式の中長期分析のために開発されたインジケーター。短期取引には向いていない。
理由②:ダマシが多い
MACDのクロスは頻繁に発生する。そして、その多くが「ダマシ」だ。
レンジ相場では、MACDラインとシグナルラインが何度もクロスする。ゴールデンクロスが出たと思ったら、すぐにデッドクロス。デッドクロスが出たと思ったら、すぐにゴールデンクロス。
この「ダマシ」に振り回されて、連敗する人は多い。
「ダマシを避けるために、ゼロラインより上でのゴールデンクロスだけを狙う」といったフィルターをかける方法もある。しかし、フィルターをかけるほどエントリー機会が減り、待っている間にさらに遅れが生じる。
理由③:相場環境を無視している
教科書的な使い方の最大の問題は、相場環境を無視していることだ。
「ゴールデンクロスが出たから買い」という機械的なエントリーでは勝てない。なぜなら、同じゴールデンクロスでも、相場環境によって意味が全く違うからだ。
強いトレンド相場でのゴールデンクロスと、レンジ相場でのゴールデンクロスは、勝率が全然違う。上位足が下降トレンドの最中に、下位足でゴールデンクロスが出ても、すぐに押し戻される。
MACDのシグナルだけを見ていては、この違いがわからない。
理由④:組み合わせても根本的な問題は解決しない
「MACDはボリンジャーバンドと組み合わせると精度が上がる」という話をよく聞く。
確かに、組み合わせることで多少のフィルターにはなる。しかし、MACDの「遅れ」という根本的な問題は解決しない。
インジケーターを増やすと、情報が増えて判断が複雑になる。MACDは「買い」を示しているのに、ボリンジャーバンドは「売り」を示している。こういう矛盾が頻繁に起きて、迷いが生じる。
ボリンジャーバンドの使い方については「バイナリーオプションのボリンジャーバンド攻略|9割が間違えてる設定」で詳しく解説しているが、結論から言うと、私はボリンジャーバンドも使っていない。
私がMACDを使わない理由
ここで、私の考えを正直に話す。
私は今、MACDを使っていない。
過去にはMACDを使っていた時期もある。ゴールデンクロス、デッドクロス、ダイバージェンス……。教科書通りの使い方を試した。ボリンジャーバンドやRSIとの組み合わせも試した。
結果は、安定して勝てなかった。
勝つ時もあれば、負ける時もある。トータルで見ると、プラスマイナスゼロか、微マイナス。「これなら使わない方がいいのでは」と思うようになった。
そして、インジケーターを一つずつ減らしていった。MACDを外し、ボリンジャーバンドを外し、RSIを外し……。最終的に、何も表示しない状態にたどり着いた。
すると、勝率が安定した。
インジケーターについての詳しい考え方は「バイナリーオプションのインジケーターおすすめ|私が使う最強の組み合わせ」で解説している。
それでもMACDを使いたい人へ
ここまで「MACDは使わない方がいい」と言ってきた。しかし、「それでも使いたい」という人もいるだろう。
そういう人のために、少しでもマシな使い方を紹介する。

使い方①:環境認識の補助として使う
MACDをエントリーシグナルとして使うのではなく、環境認識の補助として使う。
MACDがゼロラインより上にあるか下にあるかを見て、今の相場が上昇傾向か下降傾向かを判断する。そして、上昇傾向ならHIGHエントリーを狙い、下降傾向ならLOWエントリーを狙う。
エントリーのタイミングは、MACDのシグナルではなく、チャートの波形を見て判断する。
使い方②:長めの取引時間で使う
MACDは中長期向きのインジケーターだ。1分取引や5分取引ではなく、15分以上の取引時間で使う方が精度は上がる。
ただし、バイナリーオプションで15分以上の取引をする人は少ないだろう。結局、バイナリーオプションとMACDは相性が良くない。
使い方③:ダイバージェンスだけを見る
クロスは遅れが大きいが、ダイバージェンスは比較的早い段階でトレンド転換を示唆する。
ダイバージェンスが発生したら、すぐにエントリーするのではなく、「そろそろトレンドが転換するかもしれない」という心構えで相場を見る。そして、実際に転換の兆候が出たらエントリーする。
ただし、ダイバージェンスが発生しても転換しないことも多い。過信は禁物だ。

MACDを使うなら「エントリーシグナル」ではなく「環境認識の補助」として。クロスで機械的にエントリーするのは危険だ。
まとめ

MACDの教科書的な使い方
- ゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売り
- ゼロラインクロスでトレンド転換を判断
- ダイバージェンスで逆張り
教科書通りでは勝てない理由
- シグナルの「遅れ」が致命的
- ダマシが多い
- 相場環境を無視している
- 組み合わせても根本的な問題は解決しない
私の結論
- MACDは中長期向きで、バイナリーオプションの短期取引には向いていない
- 私は今、MACDを使っていない
- 使うなら「エントリーシグナル」ではなく「環境認識の補助」として
MACDは人気のインジケーターだ。多くのサイトで「おすすめ」として紹介されている。しかし、人気があることと勝てることは別だ。
私は、あらゆるインジケーターを試した結果、「使わない方が勝てる」という結論にたどり着いた。MACDもその一つだ。
「MACDを使えば勝てる」という幻想を捨てよう。インジケーターに頼るのではなく、チャートを見る目を養うことが、長期的には勝てるトレーダーへの近道だ。
▼ 私の手法を詳しく知りたい方へ
インジケーターに頼らない、波形を見るトレード手法はこちら。

















MACDは人気のインジケーターだが、バイナリーオプションの短期取引には向いていない。その理由を正直に話す。