「移動平均線は短期・中期・長期の3本を表示しましょう」
バイナリーオプションで移動平均線を使おうと思って調べると、どのサイトにもこう書いてある。そして、ゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売り、と説明される。
しかし、3本も表示すると、かえって判断が複雑になる。
私は月1000万円以上を稼ぐ専業トレーダーだが、今は移動平均線を使っていない。過去にはあらゆるインジケーターを試したが、移動平均線もその一つだった。
この記事では、移動平均線の基本的な使い方を解説しつつ、専業トレーダーが実際に見ている「この1本」について説明する。
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移動平均線とは何か
まず、移動平均線の基本を簡単に説明する。
移動平均線の仕組み
移動平均線は、一定期間の終値の平均を線でつないだものだ。
例えば、期間20の移動平均線なら、直近20本のローソク足の終値の平均を計算して表示する。新しいローソク足ができるたびに、平均値が更新されて線が伸びていく。
移動平均線を見れば、以下のことがわかるとされている。
線の向き:上向きなら上昇傾向、下向きなら下降傾向
線の角度:急なほどトレンドが強い、緩やかならトレンドが弱い
価格との位置関係:価格が線より上なら強気、下なら弱気
移動平均線の種類
移動平均線にはいくつかの種類がある。
SMA(単純移動平均線):単純に期間内の終値を平均したもの。最もメジャー。
EMA(指数平滑移動平均線):直近の価格に比重を置いて計算したもの。SMAより反応が速い。
WMA(加重移動平均線):直近の価格ほど重みを付けて計算したもの。
バイナリーオプションでは、SMAかEMAを使う人が多い。どちらを使っても大差はない。
期間設定
よく使われる期間設定は以下の通り。
短期:5、10、15、20、25
中期:50、75
長期:100、200
多くのサイトでは、「短期・中期・長期の3本を表示しましょう」と説明されている。しかし、3本も表示すると情報過多になる。
教科書通りの使い方
一般的に紹介されている移動平均線の使い方を説明する。
ゴールデンクロスとデッドクロス
最もメジャーな使い方だ。
ゴールデンクロス:短期線が長期線を下から上に抜ける → 買いシグナル(HIGH)
デッドクロス:短期線が長期線を上から下に抜ける → 売りシグナル(LOW)
多くのサイトでは、「クロスを確認したら次のローソク足でエントリー」と説明されている。
パーフェクトオーダー
短期・中期・長期の3本が、上から順番に並んでいる状態を「パーフェクトオーダー」と呼ぶ。
上昇トレンドなら、上から短期→中期→長期の順。
下降トレンドなら、上から長期→中期→短期の順。
パーフェクトオーダーが発生している時は、強いトレンドと判断して順張りする。
順張りの詳しい考え方は「バイナリーオプションの順張り攻略|トレンドで勝つ「あるサイン」」で解説している。
グランビルの法則
移動平均線と価格の位置関係から、売買タイミングを判断する方法だ。
買いシグナルが4パターン、売りシグナルが4パターン、合計8パターンある。
詳細は省くが、要するに「移動平均線から離れた価格は、いずれ移動平均線に戻ってくる」という考え方だ。
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なぜ教科書通りでは勝てないのか
ここからが本題だ。なぜ、教科書通りの使い方では勝てないのか。
理由①:クロスは「遅い」
ゴールデンクロスやデッドクロスの最大の問題は、シグナルが遅いことだ。
クロスが発生した時には、すでにトレンドが始まってしばらく経っている。一番おいしい部分は逃している。
場合によっては、クロスが発生した瞬間がトレンドの終わりということもある。「ゴールデンクロスで買ったら、そこが天井だった」という悲劇は珍しくない。
理由②:レンジ相場でダマシが多い
レンジ相場では、短期線と長期線が何度もクロスする。
ゴールデンクロスが出たと思ったら、すぐにデッドクロス。デッドクロスが出たと思ったら、すぐにゴールデンクロス。
この「ダマシ」に振り回されて、連敗する人は多い。
理由③:3本表示は情報過多
短期・中期・長期の3本を表示すると、判断が複雑になりすぎる。
短期と中期はクロスしているが、中期と長期はクロスしていない。パーフェクトオーダーにはなっていないが、2本は揃っている。こういう「中途半端な状態」が頻繁に起きる。
結局、「どのタイミングでエントリーすればいいのか」がわからなくなる。

移動平均線を3本も表示している人で、使いこなせている人を見たことがない。シンプルにすべきだ。
理由④:期間設定に正解がない
「期間は何に設定すればいいですか?」という質問をよく受ける。
答えは、正解がない。
期間5でうまくいく相場もあれば、期間20でうまくいく相場もある。期間を変えるたびに結果が変わる。どの期間が最適かは、後からでないとわからない。
これでは、安定して勝つことはできない。
専業が見ている「この1本」
ここで、私の考えを正直に話す。
私は今、移動平均線を使っていない。
しかし、過去に移動平均線を使っていた時期がある。その時に学んだことを共有する。
結論:見るなら「20EMA」だけ
もし移動平均線を使うなら、20EMA(指数平滑移動平均線、期間20)を1本だけ表示する。
なぜ20EMAか。
20という期間:多くのトレーダーが見ている期間。1ヶ月の営業日(約20日)に相当する。
EMA:SMAより反応が速く、短期取引に向いている。
3本も表示する必要はない。1本で十分だ。
20EMAの見方
20EMAを表示したら、以下の2点だけを見る。
①線の向き:上向きなら上昇傾向、下向きなら下降傾向。
②価格との位置関係:価格が線より上なら強気、下なら弱気。
これだけだ。ゴールデンクロスやデッドクロスは見ない。
20EMAの使い方
20EMAは環境認識に使う。エントリーシグナルとしては使わない。
20EMAが上向きで、価格が20EMAより上にある → 上昇傾向だから、HIGHエントリーを検討
20EMAが下向きで、価格が20EMAより下にある → 下降傾向だから、LOWエントリーを検討
エントリーのタイミングは、移動平均線ではなく、チャートの波形を見て判断する。
なぜ私は使わなくなったのか
20EMAだけを見るようにしてから、判断がシンプルになった。しかし、それでも「遅れ」の問題は解決しなかった。
そして、インジケーターを一つずつ減らしていった。移動平均線を外し、RSIを外し、ボリンジャーバンドを外し……。最終的に、何も表示しない状態にたどり着いた。
すると、勝率が安定した。
インジケーターについての詳しい考え方は「バイナリーオプションのインジケーターおすすめ|私が使う最強の組み合わせ」で解説している。
それでも移動平均線を使いたい人へ
ここまで「移動平均線は使わない方がいい」と言ってきた。しかし、「それでも使いたい」という人もいるだろう。
そういう人のために、少しでもマシな使い方を紹介する。
使い方①:1本だけ表示する
3本も表示しない。1本だけ。20EMAか20SMAがおすすめ。
情報が増えるほど判断は難しくなる。シンプルにすべきだ。
使い方②:クロスではなく「向き」を見る
ゴールデンクロスやデッドクロスは遅い。クロスを待っていると、チャンスを逃す。
クロスではなく、線の向きを見る。線が上を向いているか、下を向いているか。それだけでいい。
使い方③:エントリーシグナルにしない
移動平均線をエントリーシグナルとして使うのではなく、環境認識の補助として使う。
「今は上昇傾向だから、HIGHエントリーを狙おう」という方向性を決めるために使う。具体的なエントリータイミングは、別の方法で判断する。

移動平均線を使うなら「1本だけ」「向きだけ」「環境認識だけ」。これがシンプルで効果的な使い方だ。
まとめ
教科書的な使い方
- 短期・中期・長期の3本を表示
- ゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売り
- パーフェクトオーダーで順張り
教科書通りでは勝てない理由
- クロスは「遅い」
- レンジ相場でダマシが多い
- 3本表示は情報過多
- 期間設定に正解がない
専業が見ている「この1本」
- 見るなら20EMAだけ
- クロスではなく「向き」を見る
- エントリーシグナルではなく環境認識に使う
私の結論
- 移動平均線は使わない
- 使うなら1本だけ、環境認識の補助として
移動平均線は最もメジャーなインジケーターだ。多くのサイトで「必須」として紹介されている。
しかし、メジャーだからといって勝てるわけではない。
私は、あらゆるインジケーターを試した結果、「使わない方が勝てる」という結論にたどり着いた。移動平均線もその一つだ。
▼ 私の手法を詳しく知りたい方へ
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移動平均線は最もメジャーなインジケーターだが、複数本表示して使いこなせている人は少ない。シンプルに考えよう。